■患者さんの訴え
「右上の前歯が腫れた」
■治療内容
右上中切歯の歯根端切除術を行った。側方部にも穿孔を認めたため当該部位も逆根充剤を充填している。
逆根充剤はスーパーボンド®
■治療経過所見
自費診療で数年前に他院で入れた前歯の根の先が腫れていると受診。大きく太い土台を外すのにリスクがあること、根の治療のために高価な被せ物を壊したくないとの希望があること、側方部に穴が開いてしまっていることが疑われることより歯根端切除術を適応。根の治療の充填剤が緊密に詰まっていないこと、側方部に穴が開いていることが確認できた。ヒビは入っていないことを確認した。感染歯質を除去し十分な清掃をしてから逆根管充填した。現在かかりつけとなっており時折レントゲン写真を撮影することで経過を確認している。10年経過したが全く問題は生じていない。
■備考
歯根端手術は安全な手術だが合併症を生じる可能性がある。
手術部位が細菌感染する可能性があり抗生物質の内服が推奨されている。手術する歯によって神経を損傷する可能性がある。(下顎第二小臼歯でリスクが高い)
術後の腫れや痛みは2〜3日をピークに落ち着いてくるが症状が長引く場合は歯科医の診察を受けてください。
当院での歯根端切除術は可及的に歯根切断量を短くするよう努めているが歯根が短くなることで動揺(歯のグラグラ)する可能性があります。
神経のない歯に行う処置のために術後、歯根破折のリスクがあります。
歯根自体が腐っている場合や確認できないヒビなどがある場合再発する恐れがあります。
完全予約制