■患者さんの訴え
「根の手術を受けたい」
■治療内容
左上中切歯の歯根端切除術を行った。
逆根充剤はスーパーボンド®
■治療経過所見
10年以上前に他院(遠方)で根管治療をし前歯にブリッジを装着したが根の先が腫れてきた。ブリッジを入れた歯科医院は現在通えない(転居のため)ために近隣の歯科医院受診。ブリッジを壊しての再治療が必要であること、金属の土台が深く根の再治療にリスクがあると説明を受けた。他の方法をネット上で自身で調べて歯根端切除を希望し当院を受診。
歯根端切除術の術後は1年後2年後3年後の経過観察をお願いしている。当院かかりつけの患者さんではなかったが3年間の経過観察を行い根の先の歯槽骨は回復しており痛みや腫れの症状もないため経過観察も終了とした。術後3年以上経ってからの再発症例は極めて少ないので治癒したと考えている。
■備考
歯根端手術は安全な手術だが合併症を生じる可能性がある。
手術部位が細菌感染する可能性があり抗生物質の内服が推奨されている。手術する歯によって神経を損傷する可能性がある。(下顎第二小臼歯でリスクが高い)
術後の腫れや痛みは2〜3日をピークに落ち着いてくるが症状が長引く場合は歯科医の診察を受けてください。
当院での歯根端切除術は可及的に歯根切断量を短くするよう努めているが歯根が短くなることで動揺(歯のグラグラ)する可能性があります。
神経のない歯に行う処置のために術後、歯根破折のリスクがあります。
歯根自体が腐っている場合や確認できないヒビなどがある場合再発する恐れがあります。