■患者さんの訴え
「左上の前歯が腫れた」
■治療内容
左上犬歯の歯根端切除術を行った。
逆根充剤はスーパーボンド®
■治療経過所見
東部地区共同診療所歯科口腔外科勤務時代に治療した患者さんで現在、当院にかかりつけとなっているため時折レントゲン撮影にて経過観察を行っている。左上犬歯の横に大きな透過像(黒い影)を認め歯の根が割れていることを疑ったが歯周ポケットは深くないために歯根端切除術を適応した。根の先には歯石様の物質もこびりついていたが丁寧に超音波チップにて除去したのちに逆根管充填を行った。16年以上経っているが全く問題は生じていない。
■備考
歯根端手術は安全な手術だが合併症を生じる可能性がある。
手術部位が細菌感染する可能性があり抗生物質の内服が推奨されている。手術する歯によって神経を損傷する可能性がある。(下顎第二小臼歯でリスクが高い)
術後の腫れや痛みは2〜3日をピークに落ち着いてくるが症状が長引く場合は歯科医の診察を受けてください。
当院での歯根端切除術は可及的に歯根切断量を短くするよう努めているが歯根が短くなることで動揺(歯のグラグラ)する可能性があります。
神経のない歯に行う処置のために術後、歯根破折のリスクがあります。
歯根自体が腐っている場合や確認できないヒビなどがある場合再発する恐れがあります。