■患者さんの訴え
「根の違和感が残っている」
■治療内容
右下側切歯の歯根端切除術を行った。
逆根充剤はスーパーボンド®
■治療経過所見
他院にて下顎前歯4本の根管治療を行ったが右下側切歯の違和感が消失しないと受診。レントゲンを確認すると根の先まで充填材が詰まっているが根の先には大きな透過像(黒い影)を認める。前医も丁寧に根管充填していること、根の先の透過像内の充填材を除去したいことを考慮して歯根端切除術を適応した。根の先を0.5mmほどカットしてスーパーボンドにて逆根管充填を行った。3年後の経過観察で透過像(黒い影)の消失が確認できる。
■備考
歯根端手術は安全な手術だが合併症を生じる可能性がある。
手術部位が細菌感染する可能性があり抗生物質の内服が推奨されている。手術する歯によって神経を損傷する可能性がある。(下顎第二小臼歯でリスクが高い)
術後の腫れや痛みは2〜3日をピークに落ち着いてくるが症状が長引く場合は歯科医の診察を受けてください。
当院での歯根端切除術は可及的に歯根切断量を短くするよう努めているが歯根が短くなることで動揺(歯のグラグラ)する可能性があります。
神経のない歯に行う処置のために術後、歯根破折のリスクがあります。
歯根自体が腐っている場合や確認できないヒビなどがある場合再発する恐れがあります。